『おーふーたーりさーん!!』

その時、いつの間にか私の背後に張り付いていた理央が満面の笑みでぬっと姿を現した。

『おめでとっ!』

『えっ!?

あ…!ハイ…』

俯きがちにそう答える春田くんの顔はみるみるうちに赤くなっていく。
相変わらずの初々しい反応に、こちらまで恥ずかしさがこみ上げてくる。

「…理央も、じゃないの?」

『え?』

そう小声で尋ねると、理央はその大きな目を更に丸くした。

「有松さん」

『あ…、うん、はいっ!』

理央は胸元で小さくピースサインをすると、幸せそうにはにかむ。

「よかったね、おめでと」

色々あったようだけれど、この二人も上手くいって本当によかった。
理央のそのあまりにも幸せそうな笑顔に、つられて笑顔になる。