ウッド調の壁にグレーの斑模様の、これは大理石だろうか。
ベージュの天井には優しい明かりで空間を照らすライト。
部屋の一角にはL字の大きなソファが設置されている。
彼は慣れた様子でその空間を通り抜けると、壁際に二機並んでいるエレベーターへと向かう。
圧巻の空間に、思わず気後れしそうになりながら必死で彼の後を追った。
「あ、あの…すごく高いんじゃないですか。
その…家賃とか…」
すぐに到着したエレベーターに乗り込みながら、小声で彼に尋ねた。
『家賃?』
彼はエレベーターのボタンを押しながら、動じることなく聞き返す。
『ああ、ここ分譲だから』
「あ、そうなんです………
そうなんですか!?」
思わず声を上げてしまったが、もうエレベーターの扉が閉まった後だったので
私の間抜けな声が、あの高級感漂うホールに響き渡ることは何とか避けられたようだ。

