リリリン。
終業のチャイムが鳴るやいなや、理央ちゃんは
見事な手際で帰り支度を済ませた。
その様子に皆釘付けだ。
ベージュの鞄を勢いよく掴み、ドアの方へ早足で歩いていく。
『あ、あたし今日は見たいテレビがあるので!
高速で、それはもうマッハで帰宅しまぁす!』
言い終わる前にドアがガチャンと閉まった。
『大丈夫なんですかね、あの子。
ああやって避けてますけど…
検討しますって言っちゃったんですよね?有松さんに』
優香ちゃんが閉まったドアに視線を向けながら言う。
『検討します、ってほぼ断わられてるって気付かないかなぁ勇太も…。
ねぇ基くん?』
『あはは、どうなんだろうね』
昭香さんからの問いかけに、室長は困った笑顔で返事をした。

