私はここにいていいんだ。
彼の隣に、ずっと。
ゆっくりと身体を起こすと、ベッドから立ち上がる。
いくら彼氏だといっても、人様の家の中でいつまでも下着姿のままでいるのは何だか落ち着かない。
辺りを見回すと、床に落ちたままになっていたワンピースを見つける。
ズキリとお腹に走った痛みをぐっと耐えて、それを拾い上げると身に纏った。
その足でリビングへ出ると、良い香りが漂ってくる。
足の裏に感じる、ひんやりとした床の温度が心地良い。
右手に視線を向けると、キッチンへ向かう彼の後ろ姿。
それを見ただけで、心が優しくゆっくりと締め付けられるようだった。

