昨日、私たちはたがが外れたように何度も何度も求め合った。
少し身動ぎをすると、お腹の底に鈍い痛みを感じる。
けれどこんなに満ち足りた、幸せな痛みがある事を私は知らなかった。
『…花緒?』
心配そうに私の名を呼ぶ彼を見つめると、頬が緩む。
「…幸せだなぁって思ってたの」
彼は私の言葉に応えるように、優しく微笑むとゆっくりと身体を起こした。
『朝御飯、僕が作るから。
花緒は寝てて』
私の身体に布団をかけなおしながら、彼はそう言うとベッドから立ち上がり部屋を出ていく。
その後ろ姿を見送ると、再び彼の香りがする布団に身を埋めた。

