まるで彼の触れる場所全てに熱が宿っていくような感覚に、お腹の底から湧き上がるような強い感情が押し寄せた。
もうどうなってもいい。
ただ、彼が欲しい。
ドラマや漫画の中で、そんな事を思うヒロインはきっとこんな気持ちだったんだ。
ずっと理解できなかったその気持ちを、私は今心の中で強く感じていた。
「…基」
その名を呼ぶと、優しい声が返事をする。
乱れた呼吸の間、まるで何かに身体を乗っ取られたように口が動く。
「欲しい…」
『うん?』
「…基の心が欲しいの」
その言葉に、彼は驚いたように目を見開いた後、切なげに目を細めた。
束の間、時が止まったように見つめ合う。

