『平気?呑みすぎた?』
その優しく気遣うような声に、私はゆっくりと頷くと彼を見た。
「有松さんと…出かけてたの?」
『うん、久しぶりに呑みに誘われたから。
…にしても驚きましたよ』
彼のその言葉が何を意味するのか、私はもう既ににわかっていた。
私も同じ事を思っていたから。
有松さんへ掛けた電話。
それに出たのは、目の前にいる彼だった。
「まさか…基が出るなんて思わなかった」
寝起きでまだ上手く声が出せず、語尾が掠れる。
彼は私の言葉に息を吐くように笑うと、覆い被さるように私を組み敷いた。
彼の息遣いが目前に迫ると、またあの胸騒ぎがじわじわと心の中を侵食するように襲ってくる。
『本当、僕の可愛い彼女が勇太君に何の用かと思いましたね』
彼はそう囁くように言うと、コツンとおでこをくっつけた。

