COFFEE & LOVE―秘書課の恋愛事情―



足りない。
もっと、もっとして欲しい。

もっと深く彼に求められたい。


気付けば私の腕は、彼を求めるようにその背中を強く抱き締めていた。

それに反応するように唇がそっと離れると、彼はまっすぐにこちらを見た。

また、あの目だ。
全てを見透かしているような瞳。

まるで深淵(しんえん)に落ちていくように
その奥深く、飲み込まれてしまいそうになる。

『…準備、しないと』

彼は目を伏せると、そう一言ポツリと呟く。

またブレーキをかけられてしまった。
けれどしっかりと彼の背中に回された私の腕は、彼から離れようとしない。