「…しい」 『ん?』 「…嬉しい」 その時、彼の腕が伸びてくると、私の腰を強く引き寄せた。 「え、あの…っ」 『少しだけ』 少し掠れた彼の声が、私の耳を静かに通って体中に響く。 彼の少し熱っぽい目が私を捕らえると、優しく唇が触れた。 彼の熱が唇を通して伝わってくると、 まるで草木が風に煽られるようにざわざわと心が騒ぎ始める。 少し長めの優しい口づけに、その焦燥にも似た胸騒ぎは段々と激しくなっていく。