「花緒のことはともかく…あんたはやんなきゃいけないことがあるでしょ!
よし、理央!!」
『はい…っ!!?』
彼女の肩を勢い良く掴むと
一体何を提案されるのだろうと、理央は目をキラキラさせてこちらを見る。
恐らく理央はほろ酔いどころではなく、完全に酔っている。
「こういうのは勢いだから!」
スマートフォンを鞄から取り出すと、電話帳を開いた。
その名前を探し出してタップすると、それを理央に手渡した。
理央はコール音の鳴り始めたスマートフォンを素直に耳に当てた。
それから数秒後、理央が目を見開いた。
『………ってこれ相手誰ですか!?』
「ん?勇太」
『…っあーー!
は、花緒先輩、パス!!!!!!!!』
『えっ!?!?』
花緒は突然パスされたスマートフォンを慌てて手に取ると、戸惑いながらもそれを耳に当てた。
その様子を伺っていると、花緒がピクリと反応した後、口パクで“出た”と私に合図した。

