こうなるといつも言葉を飲み込んでしまう彼女も
さすがに引くことはできなくなったようで、観念するように目を伏せると、口を開いた。
『私が好きだって言っ…
言ったんだけど…』
どもりながらも、それを言い終える頃には彼女の顔が真っ赤に染まっていた。
『えーー!!いいなぁ、そりゃあ春田くんは優香先輩ラブ!ですしね!』
能天気な声が沈黙した部屋に舞い上がると、ゆっくりと落ちる。
いつもと違う優香の反応を見れば、それがどういうことなのか
理央以外の皆、理解していた。
優香の顔を伺うように覗き込むと、顔を真っ赤にした彼女と目が合った。
ニヤけそうになる顔を必死で抑え込んで、ゆっくりと頷くと優香は小さく咳払いをして口を開いた。
『あの……
付き合う事に、なりました…』
彼女のその言葉に、私はニヤけないよう顔に入れた力をやっと抜くことが出来た。

