『…っていうかその恰好っ!!』
「恰好…?」
自分の胸を見下げるように服を確認するが、目に入るのはいつもの部屋着だ。
真っ黒のタンクトップにパイル地のショートパンツ。
『…ちょっとお邪魔します』
そう言って玄関に足を踏み入れる彼に追いやられるように後ずさりをすると
彼の背後で、静かに扉が閉まる。
『あ…』
「あ、どうぞ」
彼は何かを言いかけたが、私の言葉にその表情を固める。
彼の足元へスリッパを置くと、固まったままの彼を見上げる。
「春田くん?」
『……お邪魔します』
彼は真っ赤な顔で俯いたまま、そう呟いた。

