入社式を終え、出社初日。

スーツを着た自分を姿見でチェックする。
清潔感はある…はず。

髪の毛も、先日床屋で切った。
ちょっと坊ちゃん刈りっぽくなっているが、支障はないのでよしとする。

眼鏡からコンタクトに変えようか検討したが、目に何かを入れるなんて怖すぎて無理だ。


自分がダサいことくらいわかっている。

これまでにもイヤというほど周りから言われてきた。

けれどイケてるだとかイケてないだとか、人生はそんなことでは決まらない。

もし何かを手に入れたいのであれば、僕はまた血の滲むような努力をするまでだ。


やっとの思いで掴んだ切符。
今日から僕の人生が始まるんだ、そう思うと心が弾んだ。

よし、と気合を入れて大学の頃から住んでいるボロアパートを後にした。


会社の前に到着すると
念のため鞄の中を覗いて、持ち物をチェックする。