『戻るぞ』

そう言った彼の言葉で、重大なことを思い出す。


「…時間!!!!!!!!!」

腕時計に目を落とすと、休憩の時間はすでに終わっている。

「有松さんは大丈夫ですか!?」

そう訊ねると、
有松さんは一瞬驚いた表情をして、再び笑った。

『…アホ。

自分の心配をしろ』



意を決してオフィスへ入ると、すぐさま遅刻した事を謝罪する。

『理央!!

また小本にしつこく絡まれてたって!?』

説教が始まるつもりでいたので、昭香さんの言葉に拍子抜けをする。

ぽかんとしていると、伏屋室長が私の名を呼ぶ。

何が起こっているのか把握しようと必死で頭を回転させながら、彼の方を見た。


『勇太君からそう連絡があったんだよ。
よかったね、勇太君が近くにいて』