『ま、

もしも訴えられたら

“いつかやるとおもってましたぁ”って言ってあげるから!』

彼女はその綺麗な長い指で、目を隠くすようにモザイクを表現しながら、
ワイドショーでよくある場面を再現した。


『お前本当にアホだな』

それを見た勇太君がすぐさまツッコむ。


『…はっ。

チビ勇太うざ…』

いつもは好戦的な中島さんらしくないキレのない返事。


今日は朝から少し様子がおかしいと思っていたが、どうやらその予想は的中しているようだ。

けれど勇太君の様子を見る限り、二人の間に何かがあったわけでもないらしい。


『お前、今日どうした?』

中島さんの異変に、勇太君もすぐさま気付く。
過ごした年数は伊達ではない。