香りたつブラックコーヒー。
彼はほぉっと息をついた。

疲れているのか
今日はやけにコーヒーの苦味と温かさが身にしみる。

いつも通りの日常。
辛いわけではない。

それでも、時々

無性に切ない気持ちに覆われる。

何が不満だいうのか

女々しい自分を追い出すように頭を振る

男は、またコーヒーを一口含んだ。

コーヒーはやっぱり、ほろ苦かった。