「桃羽と一緒にいたら雅人くん仲良くしてくれるからホント得だよね~。」
「それね~。あの子顔と身体しかいいとこないし。」
「全然タイプの違う私らが仲良くしてやってるのマジ感謝してほしいよね~。」
ここは私のクラスから1番違い女子トイレ。
そうだよね、こんな地味な私、一緒にいてもらえてる時点でおかしかったんだよ…。
私がいつも一緒にいるお昼のメンバーがトイレの手洗い場で鏡を見ながらリップを塗ったりビューラーで睫毛を上げ直してるのだろう。
私がトイレの個室に入っていることに気づいてない。
私なんかとって最初のうちはちゃんと考えるようにしてた。
でも一緒にいる間に鈍ってた。
私も一緒にいていい存在なんだって…。
「雅人くんと香代がくっついたらさ、適当に雅人くんの友だちとでも桃羽くっつけてヤらせとこうよ!」
1人の子が手を、パンと叩きいい事でも思いついたような口調で言った。
「それ超あり!雅人くんも桃羽がそんな子だって知ったら私からアイツに乗り換えたりとか絶対しなさそうだもんね~。」
「いやいや、付き合う前から雅人くんそんなに信用ないんかーい。」
ギャハギャハ笑いながらトイレを出ていく音がする。
聞いちゃった…。
どんな顔してクラスに戻ったらいいのかな…。
私は重い体を動かしてトイレの個室から出て手洗い場の鏡の前で自分の顔を見つめる。
私は正直この顔が大っ嫌い。
私はパパが若い頃に遊んでた相手との子。
パパが学生時代に住んでたアパートの前に捨てられていたらしい。
だからパパはその後婚活を始めて今の奥さん、絢美さんと結婚して私を実の娘にしてくれた。
パパはとても優しい。
私のことも大事にしてくれてる。
でも絢美さんはそれを嫌がるし、絢美さんのお母さん、史那さんも私の事を孫としては見てくれない。
パパと絢美さんとの間にできた私と2歳差の妹も私の事をすごく嫌っている。
『桃羽さん、貴女はきっと母親に似たのね。
顔と身体を武器にでも生きていくのかしら?
和志さんがいない間、私が貴女を、娘と思って接することはないから。さ、彗那、ピアノに行きましょう。』
パパと絢美さんが結婚して彗那ちゃんっていう妹ができてから初めてパパが主張で家にいなかった時に言われた言葉。
7歳の私はとても傷ついたのをよく覚えている。
それからというもの絢美さんはパパのいない間は私に罵声を浴びせ、彗那ちゃんを特別扱いするようになった。
だけどその事をパパは知らない。
そのおかげで私は彗那ちゃんからも、
「ねぇ、ビッチの娘。私の物に触んないで。汚いんだけど。ホントアンタの顔見てるとイライラする。なんで鹿野先輩がアンタみたいな顔と身体だけの女に夢中なのよ。」
と蔑まれるようになった。
彗那ちゃんの言う、鹿野先輩とは中学の頃の私と同級生の男の子でバスケ部のキャプテンをしていて同級生のみならず下級生にもモテていた。
噂によると彗那は鹿野くんの最後の試合を見に行き告白したらしいけど、
「ごめんね、俺は桃羽さんに片想いしてるんだ…。
だからもし、桃羽さんと俺が付き合えたら妹として俺と仲良くしてくれないかな?」
と断られたらしい。
かと言って私は鹿野くんに告白されなかったしホントの事は私にも分からなかった。
「それね~。あの子顔と身体しかいいとこないし。」
「全然タイプの違う私らが仲良くしてやってるのマジ感謝してほしいよね~。」
ここは私のクラスから1番違い女子トイレ。
そうだよね、こんな地味な私、一緒にいてもらえてる時点でおかしかったんだよ…。
私がいつも一緒にいるお昼のメンバーがトイレの手洗い場で鏡を見ながらリップを塗ったりビューラーで睫毛を上げ直してるのだろう。
私がトイレの個室に入っていることに気づいてない。
私なんかとって最初のうちはちゃんと考えるようにしてた。
でも一緒にいる間に鈍ってた。
私も一緒にいていい存在なんだって…。
「雅人くんと香代がくっついたらさ、適当に雅人くんの友だちとでも桃羽くっつけてヤらせとこうよ!」
1人の子が手を、パンと叩きいい事でも思いついたような口調で言った。
「それ超あり!雅人くんも桃羽がそんな子だって知ったら私からアイツに乗り換えたりとか絶対しなさそうだもんね~。」
「いやいや、付き合う前から雅人くんそんなに信用ないんかーい。」
ギャハギャハ笑いながらトイレを出ていく音がする。
聞いちゃった…。
どんな顔してクラスに戻ったらいいのかな…。
私は重い体を動かしてトイレの個室から出て手洗い場の鏡の前で自分の顔を見つめる。
私は正直この顔が大っ嫌い。
私はパパが若い頃に遊んでた相手との子。
パパが学生時代に住んでたアパートの前に捨てられていたらしい。
だからパパはその後婚活を始めて今の奥さん、絢美さんと結婚して私を実の娘にしてくれた。
パパはとても優しい。
私のことも大事にしてくれてる。
でも絢美さんはそれを嫌がるし、絢美さんのお母さん、史那さんも私の事を孫としては見てくれない。
パパと絢美さんとの間にできた私と2歳差の妹も私の事をすごく嫌っている。
『桃羽さん、貴女はきっと母親に似たのね。
顔と身体を武器にでも生きていくのかしら?
和志さんがいない間、私が貴女を、娘と思って接することはないから。さ、彗那、ピアノに行きましょう。』
パパと絢美さんが結婚して彗那ちゃんっていう妹ができてから初めてパパが主張で家にいなかった時に言われた言葉。
7歳の私はとても傷ついたのをよく覚えている。
それからというもの絢美さんはパパのいない間は私に罵声を浴びせ、彗那ちゃんを特別扱いするようになった。
だけどその事をパパは知らない。
そのおかげで私は彗那ちゃんからも、
「ねぇ、ビッチの娘。私の物に触んないで。汚いんだけど。ホントアンタの顔見てるとイライラする。なんで鹿野先輩がアンタみたいな顔と身体だけの女に夢中なのよ。」
と蔑まれるようになった。
彗那ちゃんの言う、鹿野先輩とは中学の頃の私と同級生の男の子でバスケ部のキャプテンをしていて同級生のみならず下級生にもモテていた。
噂によると彗那は鹿野くんの最後の試合を見に行き告白したらしいけど、
「ごめんね、俺は桃羽さんに片想いしてるんだ…。
だからもし、桃羽さんと俺が付き合えたら妹として俺と仲良くしてくれないかな?」
と断られたらしい。
かと言って私は鹿野くんに告白されなかったしホントの事は私にも分からなかった。
