泣いて、過呼吸を起こして、嘔吐する。それの繰り返しでした。

もういっそ、包丁を肌に突き刺してやろうかとキッチンに置かれた包丁を腕に突きつけたこともあります。そんな時、そばにいてくれる存在がいました。

何をしてるの、と言いたげな黒い目が視界に映り、私は横を見ました。ブラックタンの体の大きなダックスフンド、私が家で飼っている犬です。

「……ポンちゃん……」

ポンちゃんは、私が泣いている時いつもそばにいてくれる大切な存在です。ポンちゃんのおかげで辛いことも頑張れた日々があります。

私は包丁を置き、ポンちゃんを撫でながら泣き続けました。嗚咽が口から漏れ、吐き気が何度も込み上げてきました。ポンちゃんがいてくれることが、唯一の心の支えだったと思います。



しかし、辛かっただけの夏休みではありません。きちんと楽しいこともありました。

天気の子を家族で観に行ったり、ずっと見たかったアニメのDVDを借りて見たり、祖父母の家に泊まりに行ったりしました。小説をたくさん書き、好きな音楽をたくさん聴きました。