「緊張せず落ち着いてくださいね」

優しくそう言われ、私は「はい!」と自然に笑うことができました。

希望動機、趣味、部活動のことなどを質問されました。しかし、学校で練習した時のような厳しさは全くなく、私は落ち着いて質問に答えることができました。

「失礼します」

部屋を出て、もう一人の子と一緒に電車で帰りました。

「合格するといいな〜」

そんなことを言いながら帰りました。しかし、私の胸にあったのは、「やりきった」という思いよりも「これでよかったのかな」という思いでした。

家に帰った後、私はポンちゃんを撫でながら泣いてしまいました。受かるか落ちるか、そう予想することなどできず、不安が胸の中に溜まっていきました。

試験が終わった安心と、もっと頑張ればよかったという後悔、そして不安。

その中で私は泣き続けました。