「どんなに俺が言うことを聞かなくても、文句を言わずに自分の仕事にまっとうする。
だけどいつも、キミはつまらなさそうで生気が感じられない」
「……悪口ですか」
「オソロイだねって言いたいんだよ」
ウソだ。
私と水葉くんは違う。
「水葉くんは自分なりに“たのしいコト”を見つけてるじゃないですか」
「もう飽きた。
俺って飽き性だから」
何という自分勝手な。
都合のいいほうに持っていこうとする。
「今度はキミと“たのしいコト”に溺れたい。
松橋さん、ふたりで道踏みはずそうよ。
“上辺だけの真面目”で何が悪い?
真面目に生きたって得しないことも多いよ」
わかっているような言い方。
とはいえ実際その通りだ。
彼はきっと、今の私のような経験をすでにし終えている。
中学のときは真面目だったのだろうか。
まともだったのだろうか。
いずれにせよ、私のすべてをお見通しなのだ。



