あの時も今も、私の意思は無視でキスされているというのに。
同じ強引さだというのに。
まったく嫌と思わない。
抵抗心を抱かない。
きもちわるいとは逆の言葉が脳裏をよぎるほどだ。
「意外とイイ顔するんだね」
少し息を乱した野性的で、黒い髪がより一層危険さを醸し出していた。
「っ、ダメ…」
私の反応を見てイケると思ったのだろう、今度は大胆にも直接太ももに触れてきて。
くすぐったくてピクッと反応してしまう。
「本当に嫌?」
「それ、は…」
「ほら、たくさん俺で染めようね。
怖かった過去も全部」
昨日同様、私の制服のリボンに手をかける彼。
このまま飲み込まれてしまいそう。