「メガネに依存してるの?」
「それ以外に何があるんですか」


メガネがあるのとないのでは、結構違う。

道を歩くだけで悪い男に声をかけられるということが極端に減ったのだ。


「まあこんなにも綺麗な子を見たら、男は黙ってないかもね」

ああ、楽に生きたいだけなのに。
どうもうまくいかない。


「手、震えてる」
「うるさい!」

また手を振り払おうとしても払えない。
男女の力の差はどうしたら埋められる?


「もしかして危険な目に遭ったことある?」
「…っ」


どうして彼は余計なことを言う?
見ればわかるだろう。

こんなにも手の震えがおさまらないのだ。



『こんな綺麗な子に触れるなんて最高かよ。
今日はツイてるな』

『記念に写真撮っておこうぜ』