秘密のキスで、甘く溶かして。




ため息をつきながら大人しく空き教室の中へと入った。


「それで?あと10分ちょっとでホームルームが始まりますがご用件は?」

「えっ、今の俺を見て何も言葉かけてくれないの?」

「ああ、これから中身も真面目になれるよう頑張りましょうね」


彼が欲しいであろう言葉をかけずにいると、ムッと不満気な顔をした。


「つまらないね」
「そうですか?ありがとうございます」

「褒めてないよ」


そんなの言われなくても知っている。

けれど今、このつまらない会話で残り10分を切ってしまいそうだ。