「風紀の乱れが心の乱れって、よく風紀委員の人たちが言うよね。キミにも何度か言われたことあるけど」
「それがモットーなので」
「じゃあ一緒に乱れようよ。例えば…」
明らかに慣れた手つきで私の制服のリボンを解く。
それから上ふたつのボタンもはずされてしまった。
「ほら、これでもうキミは真面目じゃなくなった」
ニコニコ嬉しそうに笑っている彼の心理はわからない。
読めない男。
いったい何がしたいのだろう。
「バカじゃないですか?」
「んー、たぶんバカだね」
「認めるのならやめるべきでは?」
「キミが悪い俺を真面目にさせてよ」
「さっき私のたがを外すとか何とか言ってませんでしたか?」
口を開くたびに言っていることが変わる相手は信用ならない。



