秘密のキスで、甘く溶かして。




「いつかハメ外したくなるよ。
溜まったものぜんぶ爆発して」

何もかも知っているような言い方。
まるで自分がその経験者、みたいな。


「どうでしょうね」
「いや、“いつか”じゃなくて“今”だね」

「は…」
「俺がキミのたがを外してあげる」


キケンだと気づいた時にはもう、押し倒されていて。
どうやら追い込まれてしまったようだ。


「ここで私が叫んで気づかれれば、水葉くんは確実に停学になりますが」

「ううん、キミは叫ばないよ」


自信満々の笑みはいったいどこからきているのだろう。


「人生、楽しく生きようよ」


単なる脅しにも怯まず、強気である彼。
もちろん私も叫ぶつもりはない。

叫んだところでここは放課後の保健室だ、気づかれる可能性のほうが少ないのである。