「いつかハメ外したくなるよ。
溜まったものぜんぶ爆発して」
何もかも知っているような言い方。
まるで自分がその経験者、みたいな。
「どうでしょうね」
「いや、“いつか”じゃなくて“今”だね」
「は…」
「俺がキミのたがを外してあげる」
キケンだと気づいた時にはもう、押し倒されていて。
どうやら追い込まれてしまったようだ。
「ここで私が叫んで気づかれれば、水葉くんは確実に停学になりますが」
「ううん、キミは叫ばないよ」
自信満々の笑みはいったいどこからきているのだろう。
「人生、楽しく生きようよ」
単なる脅しにも怯まず、強気である彼。
もちろん私も叫ぶつもりはない。
叫んだところでここは放課後の保健室だ、気づかれる可能性のほうが少ないのである。



