あたしの頬に唇が触れた。


「……っ」


「……でも今宵は、俺じゃなくてもドキドキするんだ?」


「やっ、だ……やめて」


首元にキスが落ちる。

あたしの神経全部、
髪をすくう指先にまで、もてあそばれて。


「今宵は、俺以外にもそんな顔すんの?……そんなとろけそうな顔」


フッと笑う彼は、あたしのことなんかお見通しみたいに
自信ありげに笑っている。



「抵抗しないのが答えなんじゃないの?……俺のこと大好きなくせに」