「ほんとにごめんなさい……!」



とにかく拾い集めて片付けなきゃ……。

大慌てでしゃがみ込んだとき。



「……っ、人間ピタゴラスイッチかよ」



くつくつと笑いはじめた彼は、あたしのすぐ傍に腰を落とした。



「いいよ。俺がやるから」


「そ……そんなわけには」


「あーあ、君の手べとべとだよ?」




その時やっと目に入った彼。


……時間が止まった気がした。