……遊び。

自分で思って、落ち込んじゃう。


そう思うんだから、あたしは、
やっぱりもう、駆くんに恋しちゃったのかもしれない。



……じゃあ駆くんは?



手を振り払って、机から降りた。


「今宵?怒った?」


「……」


……やってみよう。

今なら、傷は浅いし。


思い切ってぎゅうっと抱きしめて、
ドキドキしてくれるか実験、しよう……。



「今宵?ウブとか言ったのは冗談だって。怒んなよ」


「……」


えっと、思いっきり。
うう、緊張するよ……。


「今宵、ごめんって」


ううん、覚悟は決めた……。


「……駆くん!」


思い切ってその胸に飛び込んだ。


「……わっ」

駆くんの短い声。

勢いあまって、バランスを崩しかけたあたしをぎゅうっと抱き込む駆くん。



細いのに頼もしい腕があたしを包んでいる。



かたい胸板。
やっぱりいい匂いがする。


……駆くんの匂い。


ぎゅうっと両手を回して、駆くんの胸に顔をうずめてから耳を当てる。


こんなにドキドキしてるのは、やっぱりあたしばっかり……。