「そんなこと……ない!」


「えー?ちょっとイチャイチャしてみたらわかるよ」


駆くんの手があたしの指先に触れて、ゆっくりと絡める。


これ……恋人繋ぎって呼ぶものだと思う。



「今はこんくらいね」


駆くんの胸に押し当てられた手は、トクントクンと動く心臓を感じた。


あたしのより全然遅い……!


「……全然ドキドキしてない……」


「……ってかこれくらいでドキドキしちゃう今宵が、ウブなだけ」


「ひどい……」


じゃあ……ぎゅうってしたらドキドキするの……?


しないのかな。


ううん、これはしてみないとわからないし。


しなかったら、別れる。


もう、そうしよう。


だってそんなことしてドキドキしないなら、やっぱり遊びでしかないんだから。