駆くんはネクタイを緩めて、机に座らされたままのあたしに近づいた。


「え……?」


あたしを囲むように机の上に両手を置いて、こっちを見下ろす駆くん。


澄んだ瞳にあたしが映っている。


こ、こんなに距離を詰めて……どうしよう。


あたしの心臓はどんどん加速していく。


ふたりっきりの教室で……見つめ合ったまま。


やっと、駆くんの唇が動いた。


「放課後の教室ってなんかエロくね?」


……突然、何言ってるの?