「……なっ、離して!おろして!」


「うわ、ばたばたするなって。わがままだなぁ」



机の上に座らされた。
どくどくどくどく。息切れがしそうだよ。



「……ひどい、駆くん」


「なんでだよ。じゃあ何がしたかったわけ?」


駆くんの親指と人差し指がぷにゅっとあたしの両頬をつぶす。


にやっと笑わないで。



その笑み、気づいているんでしょう?
あたしが、その……抱きしめようとしたこと。


こっちは、真剣だったのに。