はいはい、と音羽くんが立ち上がった。



「なるほどねぇ……。衣川さんの好みがわかった気がする。なんでそんなやつに流されちゃったのか、も」



意味深な言葉。
なぜか音羽くんは駆くんを見ながら、そう言った。



「じゃあ俺帰るね。また明日、衣川さん」



廊下の方へと歩き始めた音羽くんは、あたしの机の上の日誌を手にとって、教室を出ていった。