「……そういうのって、隠した方がいいんじゃない?」



音羽くんの白くて綺麗な指先があたしの首元を指している。



「……え?」



「ちょっと待って」


音羽くんは自分の鞄の中から何か探しているみたい。


……首?


っ、キスマークだ!!

慌てて、手を当ててうつむく。


えぇ、これってずっと残るものなの?
すぐに消えるものなのかと思ってたし……それに。


「……あった。ちょっとこっち向いて」



音羽くんの顔が近づいて、女の子みたいに長い睫毛が際立った。
陶器みたいな……綺麗な肌。



白い指先に茶色いテープが垂れている。


「……絆創膏?」


「うん。これで隠せるよ」


音羽くんの手があたしの首元の髪をすくって、はらりと後ろへ流す。


「……ん」


「くすぐったい?……我慢して」