ドックンと心臓が大きく鳴る。


駆くんの視線にも、背中越しのあったかさにも耐えられなくて目をぎゅっと閉じた。


――キーンコーン……


「……授業始まった」


駆くんの声をきっかけに、あたしは体をひねって駆くんから抜け出した。


「あ、あたし!授業に行くから……!」


「……フ。あっそ?」


「じゃ……あの、ばいばい」


「……待って」



その声に足を止めて、振り返ってしまうんだから、あたしって本当にどうしようもない……。



「放課後あけといて」