ぐいっと引っ張られて連れ込まれたのは、空き教室。


「あの……もうすぐチャイムが」


「だから、何?」


「だって授業……!ん……っ」


思わず自分の口元を両手で覆った。


だって、

駆くんの唇があたしの首元に、キスしているから……!


それも何回も!


「ふ……やめて……っ」



「……かわい。なにその反応」


「……っ」


「ねぇ今宵、」


駆くんの唇があたしから離れて、


代わりに、あたしの目を覗き込む彼は、


息つく間もなく、あたしの耳元に近づいた。



「……痛いことしていい?」