廊下に出てみると、思ったよりその男子の身長が大きくて身構えてしまう。


金髪でピアスがいっぱい。
切れ長の目が鋭くて、余計に迫力が……。


息が止まりそうなほど……怖い……。


彼の顔から目線をずっと下に落として、なんとか声をだした。


「……なんでしょうか」


あたしの声、ちゃんと届いたか分からない。


「あー緊張してる?リラックスしてよ!あのさ、俺、衣川さんのこと一目ぼれで。俺と付き合わない?」


見た目に反して、言葉は穏やかなんだ。


一度は拍子抜けしたけど、やっぱり見上げたら怖い……!



詰め寄られて、あたしは一歩下がる。


「あ……の」


そう言ってまた一歩下がった時、
ドンっと背中になにか……いや、誰かとぶつかった。