「わたしも本人のことはよく知らないけどさ。駆くんってチャラいみたいな噂は何度も聞いたし、手堅い情報だと思うんだよねぇ」
「う……うん。そうだと思う」
すっごく女の人に慣れているし、あんなにモテるんだもん。
きっと軽い人だと思う。
「でも……いいかもね?リードしてくれる人が彼氏なら荒療治で、今宵も男子に免疫つくんじゃない?」
「……悪化しないかな」
「大丈夫、慣れだよきっと。でもさぁ本気には、ならない方がいいと思うよ」
「本気に……」
「たしかに駆くんは魅力的だけど、彼氏にするにはちょっと軽すぎ?」
「そうだよね」
「だけどあんなイケメンを振っちゃうのは惜しいし。楽しんだらいいじゃん」
「た……楽しむ」
ハードル高いよぉ……。
ルイちゃんは落としたフォークを仕舞って、代わりに割りばしをパキンと割った。
「難しい顔しない。もっと気楽に!」
ポンと背中を叩かれた。
うん、もっと気楽に……。