その時、ドアの向こうから大きな声がした。
「1、2、サーン!」
ドーンという音とともに扉が開く。
廊下の蛍光灯に目がくらんで、徐々に浮かび上がる輪郭。
K高生がドアを蹴破ってくれたみたい。
「え? 何で駆くんがいるの?」
まろやんとルイちゃんは目を真ん丸にしている。
「ちょっといろいろとあって……」
「駆くん……なんか怒ってるね。今宵と仲直りしたわけじゃないってこと?」
「俺、不完全燃焼でピリピリしてるから喋りかけないで」
「……駆くん……!」
まろやんとルイちゃんは目を合わせると、何か察したように目で会話。
ふたりの視線、駆くんとあたしで往復するのやめて……。



