「お。ろうそく発見」 いつの間にか店内を物色していた駆くんが心なしか楽しそうに言った。 「ろうそくあるとこ、ライターあり」 いたずらっぽい声と同時にライターの橙の炎が駆くんの頬を照らした。 ろうそくをお皿の上に器用に立てた駆くんは、部屋のいくつかのテーブルにそれを置いてまわる。 温かみのある赤い光がちらちらと揺れながら部屋を灯している。