【完】俺様彼氏は、甘く噛みつく。

「んー……どうしようか。てかこの喫茶店潰れてるわりに綺麗だな」



そう言われて廊下側にはりつけられたステンドグラスの窓から零れるわずかな光をたよりに見渡す。


ソファ席もテーブル席も卓上にはまだナプキンが残っていて、お花は枯れてはいるものの、そんなに日数が経ったようにはみえない。



かといって店の片隅に乱雑に積まれた段ボールは営業中とも思えない。



店をたたんで数日目、といったところだろうか。



ぎりぎり壊れなかったドアノブは、あたしが……。


ごめんなさい、と手を合わせたとき。