その声の意味を理解して扉に目を向けた。
「……あぁ……」
情けない声とともに床に視線をおとすと壊れたドアノブは未だそこに転がっている。
「「……閉じ込められた」」
間抜けな声が外から聞こえる楽しそうなジャズと混ざってふたりで笑っちゃった。
「誰かに電話してみようか」
そういってあたしたち、スマホを確認したんだけど。
「俺の充電切れてる」
「え! あたしも……」
「なんでだろ? そんな充電ギリギリじゃなかったはずなのに」
「あ……! ねぇ、あたしたちもしかして電話つなげたまま……」
「……あー、それだな」
なんて、間抜け……。
ぷっとふたりでもう一度噴き出してお腹が痛くなるほど笑った。



