【完】俺様彼氏は、甘く噛みつく。

あたしも駆くんもお互いのもとへと駆け寄った。



バタンとドアが閉まって、真っ暗闇にステンドグラスから差し込む光がわずかに零れる。


おもいきりあたしを抱きしめた駆くんは「この馬鹿」って呆れ笑い。



「……なんで来てくれたの?」


「こんなとこに閉じ込められてるからだろ」


「……そうじゃないよ。別れた相手になんでそんな」


「は? 別れてねーだろ」


「え!?」



目を見開いて駆くんのシャツから顔を離し、駆くんを見上げた。



「だって……浮気する人だけは無理って……」


「うん、無理。でも俺、今宵と別れんのはもっと無理」