廊下側の壁にあるステンドグラスからわずかに光がこぼれている。


この部屋にある光はそれだけ。



……ちょっと、怖い。
とにかく電話!


そうおもってスマホを操作したんだけど……ここ地下だっけ。


うろうろと部屋を歩き回ってやっと電波が一本立った。


ルイちゃんのスマホに発信する。


「おかけになった電話は電波の届かないところにあるか――」



あ、そっか……!

ルイちゃんもまろやんも地下にいるんだから圏外だよね。



何度かけてもダメ。



「……どうしよう……駆くん」



思わず名前を呟いた時だった。



スマホが震えて、“涼元駆”の文字が表示されて、目を見開いた。



……なんで?