トイレを出て、ジャズの流れた廊下を歩く。



手の甲で涙をぬぐいながら、さっきのお店の茶色い扉を開けた。



パタンとしめて、ふぅーとため息。


涙を拭った目を開いて、ぎょっとした。


……ここどこ!?


真っ暗な店内は明らかに営業していない。



ここじゃない……!


入るお店間違えちゃった!