……必死。


そうだよ。


二条先輩への当てつけでなんかいたくないって、


そんなことに必死だよ……。



「もしかして不安なの?」



……あたり。


駆くんはなんでもお見通しだ。



いぶかし気に眉根を寄せる彼はあたしをただ見ている。



「言ってよ、今宵」


……いえるわけないよ。




中学の話や、音羽くんと喋っていた会話の内容を全部聞いたとか、そんな終わりに近づいちゃう言葉、言えるわけない。



二条先輩の名前だって出したくなんかないし、それに動揺でもされたらきっと泣きたくなる。