「なんか乗り気じゃない?」



「え……。ううん。あの……そうだ。書店に行ってもいいかな。今月の雑誌が欲しいんだ」


「じゃ行こーぜ」


ひょいっと手を取られて、指が絡まる。


ぎゅっとあたしの手を包む五本の指が愛しすぎて、怖くて。



握り返せない。



今日もやっぱり、沈黙が多い。いや、余計に多い。


それはきっと、あたしまで喋らないからだけど。