でもあたしの望みなんて、届かなかった。



「どっちでもいいだろ」



駆くんは、好きって答えてくれなかった。





……どっちでもいいって、何?


好きだから一緒にいるんじゃないの……?



あたしは、当てつけのためにいるの?



駆くんの真ん中にいるのは二条先輩なの?



ガタンと音がした。教卓の影から覗くと、机から降りた駆くんが歩いていく。



「俺帰るわ。もうそういうくだんねー話持ってこないで」




ぴしゃりとドアがしめられた。



くだらない話……。


どこが?





教卓から出る気にもなれないくらい涙がボロボロこぼれている。



音羽くんは教卓の反対側でずっとあたしが出てくるのを待っていた。