そうしてあたしと音羽くんはグルになって、駆くんを空き教室に呼び出した。



あたしは教卓の中に隠れるという古典的なやり方だけど、音羽くんはきっとうまく聞き出してくれるって思う。



心臓が無駄に速くて、手はびっくりするほど冷えていて……。



「なに?話って。しかも男から呼び出しってぞわぞわするんだけど」



駆くんは開口一番音羽くんにかみついた。


どっかりと机に座って、「早く言えば?」と睨むその目は、敵意丸出しだ。




「聞きたいことがあって。単刀直入に言うと、衣川さんと付き合った理由ってなに?」



「志望動機かよ」



くすくすと馬鹿にしたような駆くんの笑い声。



あたしの目は不安に教卓の中をさまよう。