金髪くんが頷いた。


やっぱり、そっか。



はぁ、と弱々しいため息がもれる。


……そんなふうに想う人がいたんだ。


過去のことなんだから気にすることじゃないのに、わかってるけど落ち込む。


「そのころの駆って、今とは全然違って、女遊びもしてなかったんだよ」



「そうなの?」


「うん。S中の爽やか王子だっけな?そんなあだ名で学校外からもキャーキャー騒がれるような。ほんと、正統派のモテ男みたいなかんじだった」




「……爽やか王子」




……わかる。しっくりくる。



初めて出会った、お弁当をひっくり返した日。



あたしの目にも駆くんはそう映った。



金髪くんは、切なそうにあたしに微笑む。


謝るような声色で言った。



「駆は二条先輩のことめちゃくちゃ好きだったんだ」