震える足で、彼のもとにたどり着いた。




「……あの」



とん、と二の腕を一度叩くと、視線が向いた。



「え、衣川さんじゃん! え!?なんで!? 俺に用!?」



こくこくと頷いて、顔もまともに見られないあたしは今尋常じゃないほど汗をかいていると思う。



「誰もいないところで話せますか……?」



「うん、いいけど……」



きょとんとした目、口元はにやけをこらえきれない金髪の彼を一瞬見上げて、すぐに視線を落とした。




「あ、の。駆くんのことで聞きたいことがあって」



「……! えぇー……なんだぁ……。まあいいよ。行こ」




誰もいない場所ってことで、金髪の彼と空き教室に入った。